分からないから書くブログ

新米看護師忘備録

抗がん剤副作用で脱毛の患者さん



看護師さんから洗髪お願いしますと頼まれ、
部屋をのぞくと、
患者さんの枕もとは抜け毛だらけ。
例によって病名をしらないから、
気軽に洗髪台にむかう。

 

タオル巻いてケープ巻いてブラシで髪をとくと、
あっというまに猫の毛なみにブラシに髪がたまっていく!
患者さんが「がんの副作用がでたって先生がいってた」ときた!

 

髪をぬらすとさらに排水溝の受け口にどんどん髪がたまっていく!
とりあえず洗いおえてかわかしにかかると、
頭頂部と後頭部のところで髪の毛がフェルトみたいな塊になってる!
ブラシでちょっとずつ梳こうとするんだけど、
どーしてもだめで後頭部の塊はハサミでカット!
患者さんのもともと髪の状態は知りませんが
(染色やパーマでチリチリの人もいるし)
髪の毛はごわごわでした。

 

問わず語りで患者さんがかつらをかった話を始める。
友達に誘われて、買ってから何度も後悔したかつらだとか。
値段は私の中古車マーチ越えの額です!
家族にだまって買ったということで
なんでそんなにお金をもってるんですかときくと、
38年間公務員だったとのこと!
おれおれ詐欺の被害者って元公務員の高齢者じゃなかろーか!

 

「今日、最初に洗髪した患者さんには負けますよ~」
「また生えてくるから髪で良かったですよ~」
「手足の皮がむける患者さんもいるんですよ~」
と声をかけたけど、
頭は一番目立つ所ですからね。
とりあえずということでタオルをまいていたら、
患者さん、ベットの中でもかぶってる・・・

 

明日持ってきてもらう予定だったというかつらを
患者さんは電話しにいって、
急きょお休みで家にいるとい家族にもってきてもらう。
ニット帽といっしょに。

 

で、かつらをみせてもらったんだけど・・・
・・・のっけるやつなんだよなー
つけるところはみてないけど、
お蔵入りかな~~(泣)
でも、帽子はにあってたからよしとするか。

 

これまでも脱毛の女性患者さんはいたけれど、
もう入院してきたときに髪はない人がほとんどだったので
実際、自分がみるのははじめて。
ちょうど今「夜と霧」を読んでいるんだけれど、
体中の毛をそるというのと、
体中の毛が抜けていく患者さんが重なって見えた。
尊厳というか自尊心というか。

 

ってか別の看護師さんが、
髪をかわかしてるとき、
ちょっと私もカットすべきかどうか迷ったのでみてもらったら
「タイヘンだね~」とかいって逃げて行った。
ってか、ちょー何そのコメント!
私のフォローを可憐に蹴散らしていきやがった、
ふざけんな!

 

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