分からないから書くブログ

新米看護師忘備録

私はアイヒマンか



 

精神科入院の男性死亡 「不適切な身体拘束」両親提訴へ:朝日新聞デジタル

看護記録って大事だわとも思うし、看護師に同情もするし。

じゃ家で面倒みなよと思う非情(私はアイヒマンというか収容所の看守か!)。

そういえば折に閉じ込められたってニュースも思い出すし。

 

夕方になると、帰宅願望が強まって、徘徊が始まる人がいます。

しかし、夕方というのは看護師の数ががくんとへる時間帯でもあります。

 

昨日は退院が続いて、受け持ち10人でした。

ごはん中でもかまわずトイレ15分ごとコールの人以外に、

独歩や車いす×安全帯で動き回る人が二人いました。

 

車いすに安全帯つけて、日勤帯は詰め所のなかでうろうろしてもらったりしますが、

17時過ぎると、帰る人もでてくるので、詰め所に患者さんをずっとおいとくのが難しくなります。

詰め所にいると、書類やぶったり(&異食)、机を持ち上げたり、

パソコンのケーブルを引き抜こうとしたり、

動き回るのでえらいこっちゃになります。

先輩がプレイルームがあればいいのにねといってましたが

まさにそうです。それも身体拘束になるんだろうけど。

 

配膳の前にトイレ誘導するんですが、

じぶんよりでかい目の座ったじいちゃんがあばれだすと恐怖でしかないです。

たたかれ、うでをひねられ、なんなんだって感じです。

ほってれば、車いすフットレストをえんえんいじくって

トイレにすわるそぶりもみせないけど(パット内に失禁してるから尿意がないのか)

介護衣きてるからトイレでの排泄もめんどうなんですが、

自分でやってみろと心のなかで毒づきます。

それでもって自分が思わぬ方法で放尿するからもうびっくりですわ。

※今日が初日

 

シンナーとかアルコール中毒とか

どんだけ脳にダメージくるんかなともう絶句です。

人間やめますかって感じです。

 

あと、夕方になったら家に帰りたいと思うのは

誰でもそうだろうと思うわけですが

病識がなくて、説明しても理解困難なひとに対しては

どーすればいいんでしょうか。

徘徊につきあってると、配膳も配薬も、ようは夕方の仕事がストップします。

食事介助が必要な人もいるし。

 

この徘徊する患者の隣のベッドの高齢者は

手足を拘束されることはないんですが、

「3日前に手足をしばられてから手足がおかしくなった。

とし寄りが入ってきて(この人も90代のとしより)、

仲介してくれてはずされた」

と、この人も入院しているということが頭にないので

床式センサーつかってるんですが、

こんなこといいはじめました(体幹抑制の人はいないのだが)

こりゃPTSDかなと思いました。

 

結局、動き回る二人は精神科の薬が増量のなったんですが、

明日以降、どう変化するかな。

家族付き添いも依頼しましたが、

病院から遠く、バスしかなく、病院まで来る足がない。

 

身体拘束も、薬の増量も、看護の敗北だわと思うんですが

実際のところ、どーすりゃいいのって感じです。

人手が足らなくて拘束する、家族に依頼する。

「迷惑行為」ということでさえ、

ぶっちゃけこっち側の都合ってのは重々承知です。

手間かかる人いるなら増員しろよと

んでもって2次救急の日だったりして入院もきます。

手術もあります。

師長さんは、帰り際、「がんばって!」

 

自分のこと(担当業務)は自分でどうにかするしかなさそうです。

 知恵をつけねば。

 

急性期病院で実現した 身体抑制のない看護 ―金沢大学附属病院で続く挑戦
 

 

 

 

 

アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男 (岩波現代文庫)

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